おもに海外クライムサスペンスドラマのあらすじ

視聴したドラマなどのあらすじなど

LAW & ORDER Criminal Intent 2#8 The Pilgrim

イスラム教徒の自爆テロを題材にしたお話。2002年の作品なので、前年に発生した9.11はアメリカ社会に多大な影響を与えたことを証明する一編。

帰宅したら同棲していた彼氏がいない!荷物をまとめて出て行ったらしい。両親に紹介しようとしたから?何度携帯に電話しても出ないけれど、お願いだから話し合いましょうと留守電を残し、悲しみにくれる女性が今日の被害者の様子です。部屋に遊びに来た両親が見つけたのは壁に描かれたアラム語のメッセージだけで、娘のレスリーは忽然と消えていたのでした。

ゴーレンとエイムズはレスリーの友人から同棲していた男性の氏名を聞き出し、身元を調査したところ、彼氏のアルはどうやらテロリストらしい。アメリカで活動するため出会い系サイトで「気が弱そうで(詮索しない)」「女性名義の部屋がある(潜伏できる)」女性を探して条件の合う彼女を選び、失踪はテロと何か関係があるのでは?しかし、中東出身のイスラム教徒であることを隠してモロッコ出身と嘘をつき、留学ビザに影響がない程度にしか学校に通っていないからといってテロリスとは言えないと二人を諌める部長にゴーレンは、壁に描かれたアラム語の文章はレスリーの筆跡を真似できなかった何者かがアラム語で書いた恋に破れた傷心の女性の言葉を認めたもので、遺書として現場に残し自殺を偽装したと反論します。筆跡を真似できないからってアラム語で書きますかね?レスリーアラム語出来なかったら意味なくない?偽遺書を残した方がよっぽど怪しいんですけど。

アルがレスリー失踪の前にアメリカを出国し、ドイツに旅立ったことを突き止めたゴーレンとエイムズは、その乗り継ぎ経路が不自然なことから、アメリカ国内の乗り継ぎ地であるヒューストンに向かい、通関業者からアルがそこを訪れ輸入した荷物を受け取ったことを突き止めます。そして彼の輸入した荷物が収められていたコンテナには、爆薬があった痕跡が。どうやらテロ捜査に発展ですねこれは。FBIと協力してタイタディンという爆薬の行方を追うゴーレンとエイムズ。アルが使ったレンタカーに残された指紋から、ホルヘ・ガルベスという共犯者が浮上し、彼の面倒を見ていた支援団体の関係者イーサンに話を聞きに行くと、ゴーレンは持ち前の底知れぬ知識量を活かし、些細な嘘を嗅ぎ分けます。彼の前で滅多なことは言えません。一方で、ホルヘのアジトに踏み込むとそこには抗凝血性のある殺鼠剤、三脚を立てた跡、シーツを壁に貼り付けた痕跡が次々と発見され、自爆テロの疑いが高まります。自爆テロは英語で「suicide bommer」なんだ、一つの単語があるのかと思った。

イーサンの両親を訪問したゴーレンとエイムズは、夫婦関係が壊れていること、神父になる夢をイーサンは父親に反対されたこと、息子と母親には深い絆があることを悟り、母親の協力を得てイーサンを探す作戦に出ます。その作戦にまんまと乗ってしまったイーサンは、見込み通り遺言ビデオをネット上に流すと、ゴーレンは動画の下部に横線が入る特徴があることに気がつきます。アルが出会い系サイトに投稿した動画にも共通する横線が画面の下部にあり、サイトには今も同一の特徴がある動画が投稿されているに違いないと。さすがゴーレン、観察力高過ぎ。かくしてその投稿者の自宅を突き止め急襲し、イーサンと爆弾ジャケットを確保。しかしジャケットの重量から、アリが輸入しホルヘに渡した爆薬タイタディンの半分程度しか使われておらず、爆弾ジャケットはもう一着あり、ホルヘが自爆テロを決行する危機にあると分かります。さあ二人はこの危機を防ぐことが出来るのか?!あれ、そういう番組だっけ?

コーランのどこに「罪なき人々を殺せ」と書かれているのか、ゴーレンはイーサンに詰め寄ります。アメリカ政府の文句をぶちぶち言い続けるだけのイーサンに長期戦の様相でお疲れの皆様、部長は目薬さしてる。ゴーレンは、レスリーの死を神は望んだのだろうか、彼女の死は正しいのだろうかと、イーサンが殺人に対して迷いを持っていることや神に救いを求めても何も得られないことに更に苦しんでいる彼の心の隙間を突き、レスリーの遺体の場所を聞き出します。ああ、やっぱり殺されていたんだ。しかしホルヘの自爆テロ決行の場所は言わないイーサン。

レスリーが遺棄された場所を捜索すると、ホルヘの遺留品がポロポロ出てきます。ザルだなホルヘ。どうやら自爆テロは復員パレードに参加する湾岸戦争で戦った部隊を狙い計画されていて、ホルヘ自身が軍服を着用してパレードに紛れるつもりらしい。ゴーレンとエイムズの二人も軍服でパレードに紛れます。エイムズかっこいいな。関係各所に手配写真が配布されているのであっけなく発見されたホルヘは、軍人コスプレしたゴーレンが寸でのところで取り押さえたと思ったら軍なのかFBIか分からない誰かに射殺されて自爆テロは未遂に終わるのでした。

はっきりしたお笑いシーンはなかったものの、ゴーレンの変人ぶりがなければ解決には至らないといういつも通りの展開にイスラム教徒とテロという当時のアメリカ社会を席巻していたであろう時事が盛り込まれ見ごたえがありました。レスリーが殺されたのは口封じ?何も知らなかったのに?そこがよく分からないが、特に理由もなく殺されてしまったことにイーサンが苦しんでいたということ?てことはホルヘは単なる人殺し、ってことでいいのかな?

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コスプレ

 

 

LAW & ORDER Criminal Intent 2#7 Tomorrow

兄弟が兄弟を殺害するお話。一度視聴しただけでは犯行の動機が理解出来なかった。

再婚したお金持ちのお父さんの新しい奥さんから嫌われた放蕩息子が親のいないうちに実家で友人を連れ込み好き放題遊んでいたら、友人に加え姉と共に殺される。友人の遺体の傍に横一列に並べられたエンドウ豆を見たゴーレンは、ストレスを抑えるために施設や収容所で習得する行為で、現場にいた人間の習慣の痕跡と見る。その説は本当ですか?それとも物語用の設定??

お昼時を狙い、被害のあった向かいの家に勤めるハンナというシッターと台所で会話をしながら彼女がトウモロコシの粒を一列に整列させるのを確認したゴーレンとエイムズは、彼女が育ったという児童更生施設に向かう。エイムズの弟がハンナと結婚するから身の上を知りたいカップルという体で。児童保護法かなにか、幼い頃の記録は簡単に閲覧出来ないらしく、カーバー検事補は判事が閲覧を許可する理由がないと協力を拒否するので、民間人を装い、児童保護だけでなく個人情報保護もあり容易には聞き出せない情報も、人々の情に訴えて捜査する作戦に出た二人。しかしカーバーくんて勝てない勝負はしない主義だよね、ぶれない。そして法律は一体何を守っているのだろうか、でも人情もまだまだ有効らしい。作戦が功を奏して、ハンナと被害のあったお家のシッターであるサラが姉妹であることが判明し、ゴーレンとエイムズの二人は、サラが養子に入った里親の元へ向かう。勿論カップルの体で。老夫婦は、本当は二人とも引き取りたかったが、施設から姉のハンナは嘘つきの泥棒であること、ハンナ自身が父親が迎えに来るからと里子を拒否し、妹のサラだけが引き取られた過去がわかると、再度ハンナの勤務先の家に行き彼女の所持品を調べると、被害のあった家から盗んだ金時計が隠されていた。大きな懐中時計ですね…おもちゃっぽくて高級品に見えないのだけど。

放蕩息子にサラと姉妹であること、窃盗犯であることをネタに関係を強要されたハンナが、その対象がサラにも及んだため妹を守るために実行した殺人?それなら姉のアマンダまで殺す理由がないと平凡な私の頭脳は推理するが、なんでも知っているゴーレンは、姉妹が虜になっていたメロドラマのストーリーを二人が実際に現実で実行する事に生きがいを見出し、放蕩息子と妹の兄弟を排除し、その家の新しい家族として、お金持ちで優しいお父さんの娘として迎えらたいがための犯行だったと仮説を立てて姉と妹のそれぞれが離反するよう揺さぶりにかける。

妹が裏切るぞ、幸福になるのは妹だけだと迫るゴーレンと、ゴーレンの指示でサラに意図的に優しく接する金持ちお父さんと、それをやすやすと受け入れるサラの姿を目の前にして、妹が裏切ったと思い込みあえなく陥落する姉のハンナ。事件は解決したけれど、仲良し姉妹の絆は完全に分断されてしまい、それを理解した上で作戦を実行するゴーレンの虚しいセリフで幕引きとなる。

ロジャース先生は出てきたけれどお笑いシーンがなく、犯罪を解決すること、正義を追求するためには手段を選ばないけれど、その結果残される傷もあり、警察もまた苦しみながら捜査を続けていると訴えるお話でした。

 

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yes give up...,and no.

 

LAW & ORDER Criminal Intent 2#6 Malignant

150万ドルの寄付金を捻出するために偽造薬物販売に手を染めてしまった薬剤師の悲しい犯罪のお話。

冒頭に事実に基づくフィクションですとクレジットが表示されたけれど、これ毎回あったっけ?今回だけかな。

さて、今回もセオリー通り最初に登場する人が最初の被害者death。薬品配送中のトラックが若者集団に襲われますが、運転手さんも加担している企みらしく、全く動揺する様子もなく、荷物が犯人たちのバンに積まれたことを冷静に目視すると助手席の新人君に「もう大丈夫だ」と声がけします。二人を制圧するために銃を向けていた若者の一人が「しゃべったな?!」と叫ぶと、おかしいぞ?といぶかしげな表情の運転手さんのアップとともにタイトルバックが始まり、本編に戻ると配達トラックの二人は殺害されておりました。ゴーレンとエイムズは二人の勤務先に赴き、奪われた4箱のソマトロピンという筋肉増強剤は最初から盗むための注文だったのではないかと疑いを持ちます。さて、注文したことになっている4店の薬局のうちの一つハリウェルズ薬局では、店長が自分が注文したと言います。あれ?事件の前に配達に来たお店ですよね?さっきはソマトロピン納品していないけど、それに気づいていなかったよね??店長怪しいね〜そして店長の役者さんになんだか見覚えが…TEPHEN TOBOLOWSKYさん、何かのドラマで糖尿病の奥さんに認知症を患っているか演技かを疑われた夫の役を演じていた役者さんと似ているんだけどなあ。

ソマトロピンは糖尿病患者には禁忌であるため、何も知らず服用した糖尿病患者が救急医療を受けているかもしれないと、病院に向かったゴーレンとエイムズは該当の患者を見つけ、付き添いの女性からレスリングのトレーナーから薬物を受け取っていたことを突き止めます。そして画面には青空の下にプロレスのリングが。え?レスリング?プロレス?まあプロレスってプロレスリングの略だけどオリンピック競技のレスリングってリングにロープあったっけ??レスリングというスポーツについて再考の余地ありだと物語が全然入ってこなくなったが、ゴーレンがジャケットを脱ぎトレーナーを挑発してリングに上がれ!と息巻いた姿を見て目が覚めた。うん、再考はストーリーに関係ないから今は忘れよう。白シャツと空の青とリングの青に挟まれてゴーレンのなんと爽やかなこと!後にも先にも爽やかなんてこのシーンだけじゃなかろうか。

レスリングトレーナーが白状したおかげで薬物強奪及び殺人の首謀者を逮捕することが出来たものの、彼は4店舗分の注文書も捏造したと申告します。やっぱりハリウェル店長怪しかった!てっきり仲間かと思ってたけど。

刑事二人がハリウェルズ薬局に納品している薬品卸会社を訪問すると、事務所は天井にガーランドが貼られトンガリ帽子や角カチューシャを装着した皆さんが真面目な顔でお仕事しています。責任者のお誕生日だそうで、毎年部下がやってくれるんだ、ケーキ食べる?なんて能天気に幸せをおすそ分けしてくれる。とってもチャーミングだけど、ここはもしかして笑うところか?バースデーマンの責任者くんの情報から、ハリウェルズ薬局は仕入れた3倍の量の抗がん剤を販売していたことが分かります。何かを混ぜて販売出来るような簡易包装?調剤だからお店で包装するのかな??

ハリウェルズ薬局で処方薬を購入していた男性と一緒に青空の下の青々と輝く家庭菜園に立つ二人は、2年間抗がん剤を服用していたが効果がなく、卵巣癌で奥さんが亡くなったという話を聞きます。男性からもぎ取ったトマトを一つ渡され、匂いを嗅いでみてと言われます。奥さんが最後に外に出た時に一緒に植えたんだと。思い出の、形見のトマトを受け取ったエイムズ、言われた通り香りを確かめた後ゴーレンに渡すと彼は眺め回して、かじった??アドリブかしら。この二人が何か食べてるところなんて見たことないかも。

さて、今回のコミカルシーンがやってきた!ロジャース先生登場!ハリウェルズ薬局を利用していたがん患者の遺族から許可を得て遺体を掘り返し検死解剖した結果をゴーレンとエイムズに説明しようとしたところ、ゴーレンから検死できた割合が低い、人当たりが悪いからではと嫌味を言われると「死者なら楽勝」と肯定して皮肉で返す先生。二人仲良いです。その先生からは、トマトおじさんの奥さんの遺体から検出された抗がん剤の量は少ないどころか多かったと知らされ、夫婦による尊厳死の疑いが浮上。

青空の公園で大樹の下ベンチに腰掛けランチを取るカーバー検事補に、掘り返した遺体のうち、不憫なトマトおじさんの奥さんの遺体は証拠にしないでほしいと交渉する二人。けんもほろろな回答のカーバー。作戦を変えた二人はハリウェルズ薬局の顧客の一つである老人施設に向かい、そこが牧師の経営する施設であること、ハリウェル氏がその牧師の教会の長老に就任して、大金を寄付していることを突き止めます。長老って何…教会内で序列が高い立場とかそんな感じ?

当のハリウェルさんは抗がん剤の水増し販売を止めたので教会に約束通りの献金を続けることが出来ず、神父に減額を認められたものの、遠回しに嫌味を言われ、見栄っ張りの妻にも献金額を下げたことを責められます。尊敬されて気持ちよくなりたかった、そういう出来心が犯罪に走らせたのか、と思いながらも奥さん役の女優さんに見覚えがあり釘付けに。クリミナルマインドのいつだったか、3回くらい連続した長いお話で、舌骨を集めているシリアルキラーに見初められ、最終的に心中してしまうヒロイン役を演じていた女優さんではなかろうか。

さてクライマックス。トマトおじさんの供述から、薄めた抗がん剤を投与したため奥さんが死に至るまで2日間かかったことを聞いたゴーレンはお得意のでっち上げで、ハリウェル氏が自殺のために抗がん剤の過剰摂取を勧め、その通りにしたら所要時間が1時間だった、自殺ほうじょだと教会から出てきたハリウェル氏を追い詰めると、薄めた薬でそんなに早く死ぬはずはないと知っているハリウェル氏は言い逃れもできずに膝を落とします。強風吹きすさぶ真っ青な空のもとに。

撮影の日に好天に恵まれたのか青空が幾度も登場し、最後は強風に煽られながらも犯人と対峙する刑事二人が印象的な回でした。宗教的に何か意味があるのだとしたら、とても興味深い演出なんだけど、どうなのかしら?

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青空と強風と教会

 

LAW & ORDER Criminal Intent 2#5 Chinoiserie

ストーリーを彩るエッセンスにモヤモヤ。

 

目張りされた一室で、偽造した骨董品の仕上がりが良いとか悪いとか複数の男たちが揉めている。そして日中のチャイナタウンで子連れの女性が銃弾に倒れる。事故は彼女が天安門と叫びながら、目張りの部屋から出てきた男性を追いかけた直後だった。「天安門」は日本語で「てんあんもん」、中国語は限りなく「てんあんもん」に、英語だと「ティアナメン」に聞こえる。発音ちょっと似てるなあ。

現場に呼ばれたゴーレンとエイムズが、レストランで事故にあったアニーの遺族に事情聴取。笑顔をたたえてアニーの娘に質問するエイムズは、子慣れしているのか、そんな背景描写はこれまであったかしら?一方のゴーレンは相変わらずというかむしろ子供達との会話はエイムズに任せて距離を置いているので、子供は得意じゃないという演出かな。勘ぐり過ぎ?

旦那さんから詳しく話を聞くと、彼女は天安門事件に参加していた学生で、当時学生殺しを指揮していた軍人を知っていたとわかる。ゴーレンとエイムズは、彼女がその軍人をチャイナタウンで見たという仮説を立て、再び現場へ向かい、骨董文書の偽造作業部屋を発見する。模造されていた書体に関するゴーレンのウンチク披露に呆れる警部とエイムズが、本日のユーモアシーン。

殺人事件と偽造骨董品の繋がりは?部屋に残された紙片の漢字から、書家の元へ向かうゴーレンとエイムズは偽造への関与を疑うと、あっさり認める。ゴーレンがここでもウンチクを披露して、書の芸術性の理解者であることを書家が認めたからかしら?ドラマの構成上ここで書家が抵抗したら話が進まないしね…。

偽造された文書は青銅製の像の由来を証明するためのものだと分かった二人は、発掘現場から盗まれた像が密輸され、偽造の証明書とともに売られるはずだったと仮説を立てる。偽造文書を持っている男は発見したが像が見つからない。売るために密輸したなら購入者がいたはず、コレクターを探して古美術商に行くゴーレンとエイムズ。骨董品が無造作に並べられた部屋で、美術品を無遠慮に触りまくり、倒したり持ち上げたり自由過ぎるゴーレン。それがどういう意味か最初は分からなかったが、美術品を今にも壊しそうな振る舞いをすることで、古美術商にプレッシャーをかけ、コレクターの名前を引き出すためだったのね。意地悪な作戦だな〜

ついにコレクターの女性を突き止め、囮を使い事情聴取に持ち込む二人。そしてゴーレンに追い込まれたコレクターは自白する。密輸と偽造の首謀者であるパンが天安門事件で学生殺しを指揮していた軍人だったことがアニーの口から暴露されると、像が手に入らなくなるかもしれない。漢時代の炎のたてがみの馬がひく青銅製の像を彼女は何としても手に入れたかった、馴染みの美術コンサルタントが対処してくれたと。

殺人にまで発展する青銅製の馬車には全然その良さが感じられない仕上がりなんですが、美術さん意図的でしょうか…。今回は英語の発音、イギリス人を名乗っているけどそれでイギリス発音のつもり?なんてセリフがありましたが、私レベルでは違いがよくわからないので悲しい。但し、犯人のコレクター女性の発音に特徴があるのはわかる。アルファベット一つ一つをはっきり発音しているように聞こえる。幼児期に両親と中国で暮らしていたという背景だから、彼女はイギリス人でこれがイギリス発音なんだろうな。

結局よくわからなかったこと。書家に「ニンプー」という甥がいて、その人物から文書捏造を依頼されたということだけれども、それはパンのことなのか?パンはゴビ砂漠の発掘現場にいる仲間から密輸に誘われたと言っているので、密輸や捏造の関係者は画面に現れていないだけで沢山いるから、ニンプーもその大勢のうちの一人ということか。ストーリーに影響ないけれどモヤっとするなあ。

もう一つのわからなかったこと、文書の偽造をコレクター女性は知っていたのか?最終的に実行犯となる美術コンサルタントが中国の役人を買収して密輸が成功したと言っているので、密輸が企画された段階で関わっていたと推測できる。それならば、捏造してまで証明文書をつける必要があったのかしら?青銅器が空港に届いた時点でパンたちに先んじで回収したのも美術コンサルタントだったし、その時点で証明文がなかったことも知っていた、そして女性コレクターがゴーレンたちの囮によって証明文を買い取った時も、それが何だかわかっていた。パンたちが文書を捏造しているのは美術コンサルタントの尾行で分かっていて、その文書は必要ないにも関わらず文書込みの金額に納得がいかず像だけ奪った、そういうことかな?

ゴーレンと専門家、イギリス人とデタラメな発音のアメリカ人俳優、対比が楽しめる一話でした。

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美しい骨董品?!

 

LAW & ORDER Criminal Intent 2#4 Best Defense

冒頭に出てくる人物が被害者になるのがいつものパターンなのに15分経っても生きているのはおかしいぞと思ったら犯人だった、という異例な展開のお話。

オープニング。夜中に街中をうろついてパトカーに呼び止められたスーツ姿の男性、酔ややフラついているのでそのまま倒れて第一の被害者かと思ったら検事で、待ち合わせの相手が来ないんだとのこと。翌日にカーバー検事補とランチしながら昨晩のドタキャンについて回想しているピーター・ボナムくん、奥さんが倒れたという知らない人間からの呼び出し電話につられそうになるが、冷静なカーバー氏に、まずは奥さんに電話してみろとアドバイスされ、携帯にかけると無事だった。どうやら彼が主人公ですね。しかし勤務中のランチでボトルビール飲んでるけど当時のアメリカってそれはアリなのか?

自動車のブレーキに細工、だけでなくとうとう自宅にまで魔の手が及び、ボナムくんは地下室に侵入した曲者を射殺してしまう。銃を携帯していて扱い慣れているならまだしも、とっさのことなら手の届くところにある棒切れで殴ったり、物を投げたりしそうだけどな。主人公の奥さん役の女優さんが見たことあるような…。

曲者の身元が判明し、自宅に向かうゴーレンとエイムズ。そこに曲者の同棲相手が帰宅して情報を聞き出すあたりが面白い。刑事二人は委託殺人の疑いを持ち、お金の流れを質問するも彼氏の貯金だとシラを切る彼女にゴーレンは嘘がうまいね、なんて嬉しくないお世辞を言い髪の毛が濡れていることを指摘する。そこでまた彼女は素早くジムに行っていたと返すと今度は、最近のジムは喫煙可能なんだ、喫煙者の男と浮気してたって疑われても不思議じゃないけど、うっかり言っちゃうかもなんてエイムズが畳み込み口を割らる。彼氏に言わないでね?と念押しする彼女に大丈夫、と最後は安心までさせるなんてずるいやり方だわ。彼氏が死んでるから秘密を漏らした責任を追及されたり浮気を咎められて彼女が殴られることはないけれど、後から事実を知ったら自分だったら警察不信になりそう。

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嘘は良くないね

そんなこんなでキーマンと思われる受刑者ジョジョマルチネスにたどり着き、面会室でエイムズとゴーレンにカーバー氏の三人が対峙するも質問にろくに答えず協力する姿勢なし。そこで何を思いついたのか、ゴーレンが彼の着てる毛糸のポンチョに注目し、素敵だね、何だっけこれは…ス、サ…とわざとらしい演技を繰り広げ「セーター」と答えさせる。え?セータなの?ポンチョじゃなくて?ていうかそれ何か重要なの??よく分からないが弁護料を払っている母親を訪ねた刑事二人はヒアリングの結果、弁護士であるボナムくんの奥さんが夫殺害を計画しているという仮説を立てる。ジョジョとのつながりを探すため、奥さんの仕事仲間だった弁護士に、ジョジョを知っているか聞いてもピンと来ていない様子だったので、「言語障害のある男」と付け加えると直ぐに思い出す。訝るエイムズにゴーレンは「Sの発音に言語障害の名残を聞き分けた」と説明するけどそれってネイティブが聞いても納得する説明なの?!日本語の言語障害の名残とか全然分からないが。

証拠はないが状況的にかなり怪しい奥さんを逮捕し事情聴取を始めたところ、ゴーレンが不審点に気づく。ボナムくんがカーバー氏とランチの最中に奥さんの携帯に電話をしたが、もし奥さんが夫を陥れるために仕掛けた罠なら、夫から着信があっても罠を成功させるためには出ないだろう、しかし実際には奥さんは夫からの電話に出ているので、彼女が仕掛けた罠ではないことを証明している。これをきっかけに、二人はボナムくんの妻に対する嫉妬や復讐心から成る自作自演の殺人劇を疑い、捜査を始める。部長に報告するも、証拠はないしボナムくんに漏れるのでカーバー氏には言えない。解決のヒントを得るため二人は再びジョジョを訪ね、今後はわざとらしくSの発音でどもる彼から電話に関する詳しい供述を得る。言語障害という日本語訳はどもりのことだろうか?ゴーレンは彼の供述に創作を加えボナムくんに自白させることを思いつく。え?いいの?捏造では??部長、いいの??

さて、いよいよクライマックス。検事室でカーバー氏がボナム妻に司法取引を提案するも拒否されたため、証拠として3回電話で彼女と会話したというジョジョの供述書を突きつけると、3回目の電話の日時には夫といたと主張する。もちろんこの3回目の電話はゴーレンの創作で、彼女の主張は真実。それを立証する根拠を用意した上での創作に、果たしてボナムくんは乗ってくるかどうか?カーバー氏の部屋に呼ばれたボナムくんに3回目の電話の時奥さんと一緒だったか聞くと、否定するボナムくん。ああ、かかった…。あとはゴーレンの心を抉るような動機の解説劇でボナムくん陥落。

最後のシーン。事前に供述書の捏造を聞かされていなかったカーバー氏はご立腹で、後で話がある、と二人を睨みつけ部屋を出て行く。言い捨てられた二人に向けられたカメラ、エイムズが「恨みを買ってしまったわね」と締めの一言。原語の「like Bonham」だけはヒアリング出来たので、ボナムくんが奥さんに裁判で負けたことになぞらえての皮肉ですね。

英語がわかったら演出を隅々まで楽しめたんだろうなと悔しくなる一話でした。

シザーハンズ

ティム・バートン監督、ジョニー・デップ主演の1990年アメリカ公開の映画。有名だけれども一度も観たことなく過ごしていたがたまたまテレビ放送を発見してみてみた。美術や衣装がとにかく可愛らしい作品。

 

主役エドワードのジョニーデップは機械人間で、もともとはクッキー製造工程のうちの裁断役だったのを産みの親である発明家先生が思いつきで人間化して、手をつける前に他界してしまったので手がハサミのまま、一人ぼっちで暮らしていました。

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エドワードのお庭

優しさ溢れるヒロインの母ペグに出会い、孤独な生活を哀れんだ彼女に自宅に連れて行かれ、不便や不自由はあるものの幸せな4人家族と一緒に楽しい生活を始めます。地域の住民にも受け入れられ、ハサミ技術と奇抜な感性を活かして植木のデザイン剪定やヘアーカットを始めて自身の居場所を築いていきます。

ここまで、幸せで素敵なお話。

まず、ストーリー的に幸せ。ペグ一家がいい人過ぎる!優しい!見ず知らずの人物を高校生の娘のベットに寝かせるなんて、もし自分が思春期の娘だったら家族を全力で非難するが、ウィノナ・ライダー演じる娘キムは「かわいそうな人なの」と両親に説明されて素直に従ってしまう。聞き分けよすぎでしょ!両親の人の良さも過ぎるし、娘もなんて善良なのかしら。

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カラフルなお家

そして、なんといっても美術がこれでもかと幸せ感を前面に出してくる。皆さんの暮らす町の、お家はみんなカラフルで、パステルカラーの屋根に壁、電柱もなく空は限りなく青い。画面がとにかく明るい。幸せな町を絵に描いたらこんな町並みになるでしょう。カリフォルニアに実在する町を撮影用に塗り直したそうですが、撮影が終わった後もそのままにしているご家庭があるのも頷ける。可愛いのは町並みだけではなく、エドワードのカットした作品は植木もワンコも奥様も、皆可愛い。地面を水面に見立ててイルカが波間を泳いでいるように、顔・胴体・尾の3体をそれぞれの植木に分けて仕上げているのが特に素晴らしい。ただの木がイルカに変身してしまうのですから、ハサミ人間が人気者になるのに時間はいらないですね。

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可愛い街並み

さて物語の折り返し、幸せはそう長く続きません。エドワードのカット技術を見込んで、町で発言力がありそうなマダムのジョイスが美容院の開業を斡旋します。それだけでなく彼を誘惑して一線を越えようと企みますがびびったエドワードに逃げられてしまいます。また、エドワードはキムに恋心を寄せていますがそれを伝えられず、一方のキムはなんとなく察している様子ですが、彼女にはお金持ちのボーイフレンドがいます。俺たちの車を買うためだとキムを説得し自宅に強盗に入る計画を立て、ピッキング要員としてエドワードを仲間にしますが計画は失敗してしまいます。エドワードを助けると抵抗するキムをボーイフレンドのジムが抱えて若者たちは逃走し、取り残されたエドワードだけが警察に捕まってしまいます。町のマダムたちを扇動するジョイスの影響もあり、人気者から厄介者に転落したエドワード。 ペグ一家の支えも虚しく、悪魔扱いされた彼は町の住人から追い出され元々住んでいたお城に逃げ帰りますが、追ってきたジムと格闘の末に彼を死に追いやってしまいます。キムの機転で住人には知られなかったものの、彼はそれ以来一人ぼっちでキムを想い続けながら片方でキムは、家庭を持ち孫にエドワードとの思い出を語り聞かせるのでした。

いや〜報われないエンディングだこと!前半と打って変わって画面が暗い。カットする植木も恐ろしげなモンスターに変わって、エドワードの怒りや悲しみが伝わってきます。

迫害から逃げ、一人ぼっちのお城生活に逆戻りするに至る過程で、キムにしかできなかったエドワードの救済は果たされなかったにも関わらず、彼女を愛しているエドワード自体がそれを容認していたなんて切ない。キスの一つでエドワードが救われるほど彼の愛が深かったというべきか、純愛とは自己犠牲か。主人公の純粋な愛を目の前にして我々視聴者は、愛の向けられたキムにもそれに報いる行動を求めてしまうのは何故かしら。自己犠牲を彼女にも期待してしまうので、他の男性と結婚して家庭を持ち、今では孫に、お城に住むハサミ男の物語を聞かせる姿に嫌悪感を持たざるを得ないけれども一方では、キムはやっぱりごく普通の善良な少女で、彼女の行動は自然だったと納得してもいる。「I love you」を言い合う相手は人生に一人なの?高校生の一瞬に出会った男性を一生思い続けて終わってしまうの?理想と現実を天秤にかけて、どちらかを選んで日常生活を続けるという技術を身につけて、我々は現代を生きているので、ヒロインであるキムには自分たちには出来ない理想の追求をしてほしい、そんな欲求があるのかもしれない。現実は、「常識」と言い換えてもいいかもしれない。エドワードは汚れを知らない、常識という汚れを。逃げたお城で押し寄せる住民から彼を守るためキムがエドワードが死んだを嘘をつくことも、常識を持つ少女だったから出来たことで、もし純粋無垢な心の持ち主ならば、その場を取り繕うことが出来ずに群衆に負けて一緒に死んでしまったことでしょう。

物語の全体を通して存在感が際立っているジョイス役のキャシー・ベイカーの嫌な奴ぶりが最高。国境を越えて、嫌な女は共通だなと思う。しかし嫌な奴を演じたらピカイチですねこの女優さんは。クリミナルマインドやL/Oで見た役者さんが映画にも現れて嬉しかった。これが一番の収穫かも。

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ジョイスと住民の皆さん。クリスマスファッション

 

NCIS 〜ネイビー犯罪捜査班 シーズン8 #18

ギブスの横暴ぶりがなりを潜めた穏やかで優しげな表情が見られる貴重な回。前回登場した新キャラクターのバレット捜査官は声のみの出演。

 

毎度の一般市民が死体を発見するシーンから幕開け。退役軍人さんなので市警の管轄なのですが、犯人扱いされている第一容疑者本人が断固否定しているため起訴できず、何か目論見を持つヴァンス局長の肝いりで「優秀な捜査官が二人いる」NCISが担当することになったとのこと。勿論二人のうちの一人はギブスなわけですが、もう一人は?そう視聴者に思わせたところで、ディノッゾを呼ぶギブス。ここで彼を呼ぶということは、ギブスはディノッゾを認めているわけだ!いつもパコパコ頭を叩いているのはやはり愛の鞭だった。

ヴァンス局長のいう優秀な捜査官と思われるギブス&ディノッゾが、容疑者の取り調べを始めます。被害者のジャンキー息子で、更生施設を行ったり来たりするろくでなしの18歳の彼に、労わるように優しく話しかけるギブスとは逆に、ディノッゾは犯人と決めてかかって高圧的に詰問を繰り返します。二人の打ち合わせシーンこそないものの、これは息子くんがギブスに心を開いて真実を語るように仕向ける計画なのかしらん?

二人が取り調べを続ける一方でマクギーとジヴァは更生施設の精神科医に、ジャンキー具合をヒアリングに行きます。この先生、ジェニファー・ラブ・ヒューイットじゃない?違う??クレジットに名前がないから違うのか??

また、蒸発した母親の行方を捜すためお隣さんに聞き込みに行くと、そのお家のお嬢さんもジャンキーだったが去年過剰摂取で亡くなったと、十代の子供を教育するは難しいと苦々しい表情でその家のお父さんが答えてくれます。意味深な物言いなので、お隣さんが今後関係してきそうな気配がする…。

頑として犯行を認めないことに業を煮やしたヴァンス局長が、自ら取り調べると言い出して、斧を机に突き刺して息子くんを脅し、無理やり自供させます。ドヤ顔。優秀な捜査官二人は自分とギブスって意味でしたか。ヴァンス局長は取り調べの最中に、故人は海軍士官学校時代の講師であり自分の友人だったと裏事情を告白したため、ギブスは捜査に個人的な感情を持ち込むなと激怒し、自白は強要で自分は息子くんの無実を信じると言い切ります。かっこいいな〜

息子くんの無実を信じるギブスは彼と根気強く対話を続け、警戒を解いた彼からようやく真実に辿り着く手がかりを得ます。なんとお隣のお嬢さんは息子くんのガールフレンドだったと。やっぱりお隣さん関係してたよ!

俄然怪しくなったお隣さん、早速取調室に呼ばれますが父親と口論したのは事実だが殺してないと主張した上で、彼の口から更なる真実が明らかにされます。蒸発したお母さんが家に入っていくのを見たと。

こうなるとお母さんが犯人だったか〜と結論がわかった上で、物語のクライマックスを迎えます。息子くんに盗聴器を仕掛けてダイナーに母親を呼び出し、事の次第を話し出すのを待てばいい。精神疾患を抱えているからなのか、16歳の息子を置いて家出して、2年間音信不通だったところいきなり帰宅して夫から「部外者」と言われたことにブチ切れて殴り殺し、罪をなすりつけるためお隣さんの裏庭から斧を盗み出してそれで7回も夫の顔を切りつけた挙句に逃亡してしまったと。壮絶だなあ息子くんやりきれませんお父さんもお母さんも、彼は愛しているからやりきれない。事件は解決したけれど、悲しい幕引きでした。

階段の上から、面白くなさそうな顔でチームを眺めるヴァンス局長。新キャラクターのバレット捜査官から電話がかかってきたため、一変して表情には局長の威厳が戻り、会話を始めます。それを下から眺めるギブス。そう、捜査は捜査官のギブスの仕事で局長は捜査官ではない。捜査官としてのプライドに満ちた表情なのでした。

そういえば、今回はディノッゾ頭叩かれなかったな。そして最も印象深かったのは、取り調べの小道具としてギブスがハンバーガーを取り出すシーン。紙袋から取り出したのは、ハンバーガー、そのまま。え、包装紙なし?!アメリカってそうなの?!

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裸バーガー